遺伝カウンセラーを目指す方へ

お仕事選びは人生選び

6-6.就職活動、そして働きながらの認定試験勉強

私は就職活動を一切していない(博士課程に進むと決めていたため)のですが、色々周りの話を聞いてみると、

 

通っている大学院の大学病院あるいは関連病院からお声がかかってそのまま就職する、教授の紹介でどこかの病院に就職する、大学院宛に病院から求人が来てそこに就職する、自らネットで求人を調べて就職する、などがありました。

 

就職先が無くて困ったという話は私は聞いた事がありません。ただ大学院での勉強や実習、修論作成の合間の就職活動は結構大変かもしれません。

 

無事に大学院を修了して、4月からお仕事が決まった!という事になっても、

遺伝カウンセラーの認定試験はその年(つまり大学院を卒業した年)の9月に行われますので、慣れない環境で遺伝カウンセラーのお仕事をしながら、9月に向けて認定試験の勉強をしなくてはなりません。

 

もし認定試験が不合格となれば、また1年間、認定試験の勉強をしながら仕事をするわけです。

 

認定試験が不合格になったので病院を解雇された、等の話は聞いた事はありません。

 

遺伝カウンセラーは現在認定試験のため資格取得は働く上ではマストではないからではないでしょうか。

 

でも、遺伝カウンセラーがいつか国家資格になったとき、認定資格を取得しないまま病院で働く遺伝カウンセラーはどうなるのかな?と時々考えたりします。

 

6-5.修論を書かないと卒業できない!

当たり前なんですけど、大学院なので修論を書かないと卒業できません。これも結構大変です。

 

一般的な研究室の学生なら、研究するために大学院に入るわけですが、遺伝カウンセラー希望の学生は「資格取得」が院に入る目的ですから。講義や実習もあって、その合間に修論作成をするのです。時間との闘いです。

 

研究内容も、やりたいものをやれる訳ではない(大学院により異なる)ので、私は、教授に言われるがまま研究していました。

 

私は2年生の夏から取り掛かって、年末に仕上げて、年明けに何度か修正作業をやって、2月に発表会して、2月末に評価が出る、という流れでした。

 

 

6-4.実習

遺伝カウンセラーになるには、大学院在学中に病院実習をしなければなりません。

 

遺伝カウンセラー認定試験を受ける際は実習記録簿に教授のサインをもらって願書に添付しないと受験資格が得られません。

 

どういう疾患を〇例、合計で〇〇例実習に出なくてはならない、という風にノルマが決まっていて、なんでもいいから実習をすれば良いという訳にはいかないのです。そんなわけで、学生は必死に実習に出ます。

 

私の大学院には大学病院が併設されていたので、希望すればいつでも実習できる状態にありましたが、病院が併設されていない大学院は結構大変みたいです。

 

教授がいろんな病院に「学生実習させてください。」と頼みに行くそうなのですが、コロナのため受け入れ病院が少ない状況だったようです。

 

受け入れ病院が決まっても、学生は大学を休んで病院実習に行くわけなんですが、実習先で結構肩身が狭い思いをしたという話も聞きました。

 

そういった意味では、大学病院が併設されている大学院は実習には有利なのではないでしょうか。

 

実習の内容は「陪席実習」と言って、病院の職員さん(遺伝専門医や遺伝カウンセラー)の実際の遺伝カウンセリングを邪魔にならない様に隅で見学させてもらい、

会話の内容や、どんな遺伝子検査を行ったか、等を詳細にメモします。

 

ただ陪席だけすればいいというわけではなく、陪席する前には患者さんの情報や疾患などについて事前に調べて、いつ教授に突っ込まれても答えられるように準備しておく必要があります。

 

この準備には数時間、長ければ数日かかります。

 

ただ疾患だけを調べればいいわけではなく、遺伝疾患ですから、病気の機序、例えば染色体の数的異常なのか、だとしたら何番染色体のどういう数的異常なのか?とか、

それとも遺伝子自体の変異が原因なのか、変異の種類は何か?

そしてなぜそんな変異が起こるのか?その疾患についての最近の論文に目を通しているか、など、教授に聞かれるので、準備する必要があります。

 

それと、患者さんの「家系図」というものを書いて、ご家族のどなたが他に同じ病気になっていらっしゃるかとか、そういった情報をまとめて図にする作業があります。ご興味のある方は「医療家系図」でググるといっぱい出てきます。私はパワポで作っていましたが、言いたくないけどこれが結構面倒くさい作業なんですよ…慣れないと2,3時間はかかります。手書きできるアプリを探したりしましたが、なかなか良いなと思えるものがありません。

 

陪席が終わったら、私がいた大学の病院では、遺伝カウンセリングの内容の「議事録(患者さんや医師らがどんな会話のやり取りをしたか)」を保管しておく必要があったため、聞き取りが終わったメモをwordに書き起こす、という事もしました。これも割と時間がかかります。

 

それらが終わったら、自分の実習内容を、遺伝カウンセラー認定試験に必要な「実習記録簿」に詳細に記入します。

 

陪席実習、やることがてんこ盛りです。

 

 

 

6-3.講義(遺伝カウンセラーになるための)は…

ここだけのお話です。

 

遺伝カウンセラーになるためにはいろんな知識を吸収しなくてはいけないわけでして、当然大学院に入れば、そういった関係の講義があると思っていたのですが…

 

ここだけの話、残念ながら私が通ったC大学院にはそれはなかったのです。

 

C大学院では、教科書に書いてある様な事は自力で勉強しろって感じでした。

 

言葉が悪いかもしれませんが座学については「学生ほったらかし」だったのです。

 

私は生物系の人間ですから、大体の遺伝子の知識を持って大学院に入ったので、それでもまあなんとかなりましたけど、そうではない人にとってはこのC大学院は入ったら辛いんじゃないかなぁ。

 

なので、皆さん、大学院に入る前には、どのような教育・指導をしているかをちゃんと調べてから入る事は必須です。

 

 

6-2.講義(単位取得のための)

大学院も学部と同様、講義を受けて単位を取得しないと卒業できません。

 

私の時は丁度コロナだったので、オンライン講義がほとんどでした。

 

対面だったら、いろんな院生さんとお友達になれたのになあ。オンラインはメリットデメリットありますね。

6-1.研究室

私が所属していた研究室は、教授1人、学生は私と先輩1人の計2人、秘書さんはじめ職員さん数名、というこじんまりした研究室でした。

 

研究室でどういう毎日を送っていたかと言いますと…

 

・講義がある日は講義に出る

・講義がなければ病院実習あるいは勉強

 

ざっくり言うとこんな感じです。